「鬼ひめ哀話」は、児童文学作家さねとうあきら先生の「おにひめさま」を原作に山根宏章が脚色・演出・出演し、1990年に初演した作品です。
その後、何度かの再演を重ねていますが、その度に様々なかたちで関わっていただき、作品の持つ世界観とクオリティを高めてきました。
邦楽演奏家の仲林光子氏他の生演奏・地唄と人形劇の競演で創り上げる迫力の舞台です。ご期待ください。
あらすじ
「わたしは城の桜姫、世界で一番美しい。雪と競うても花と競うても負けはせぬ。」
美しいが、うぬぼれが強く、わがままな桜姫。
姫は京の都から訪れた三条之宮のもとに嫁ぐことになった。
思い立ったら少しの我慢もできないお姫様は、
春まで待った方が良いという人々の言葉に耳を貸さず、冬のさなかにお輿入れすることに。
雪降りしきる峠道…、鬼が住むという鬼きり峠に差しかかったところで、
「雪崩だぁーっ」という共の者たちの悲鳴の中、姫は雪にのまれてしまう…
夢うつつに男の背で聞く言葉 「人と思えば人となり、鬼と思えば鬼となる。すべてはお前の心次第だな」
気がつくと山中のあばら家、姫を助けた老夫婦が 心づくしのもてなしにと
囲炉裏に湯を沸かし、料理のために包丁を研いでいる。
研ぐ包丁のすり音にぐさりぐさりと息詰まる……。
「あっ二人は鬼、私は殺される、逃げなければ」
隙を見て出ようとした足下にギラリと光る包丁、ずしりと思い手応え。
「どうせ逃げても追ってくる。ならばこの包丁で」 姫の顔にメラメラと火影がゆれた。
スタッフ
脚色・演出 | 山根 宏章 | 音響 | 目黒 喜幸 | |
原作・監修・補訂 | さねとう あきら | 邦楽演奏 | ||
音楽 | 大倉 ただし | 地唄・三弦 | 仲林 光子 | |
美術 | 松本 真知子 | 鼓、太鼓他 | 吉口 克彰 | |
装置デザイン | 西山 三郎 | 篠笛・能管 | 仲林 利恵 | |
書(舞台美術) | 木村 雪苑 | 舞台監督 | 三好 和美 | |
照明 | 渡辺 賢二 | 制作 | 葛山 美奈子 |
原作者・演出家より
永遠の女人像を求めて
原作・監修・補訂 さねとう あきら[再演時のパンフレットより]
自惚れ屋で威張りん坊、自己中心で疑り深いとくればあまり好かれないに決まっています。しかし、そんな欠点を山のように背負いながら、それでも幸せを求めて必死な姫の姿に、わたしは永遠の女人像を見てしまうのです。
このたびポポロの皆さんといっしょに、わたしの創作民話群のなかでも、とりわけ愛着のある「おにひめさま」に挑戦します。野太い人間ドラマに期待してください。
求め、さらに求めて
脚色・演出・団右エ門 山根宏章[再演時のパンフレットより]
哀しくもいじらしい、この「おにひめさま」に会えるのがたのしみであり、また恐ろしくもある。 客席の気息に身をゆだねながら、背中に背負った姫の心根を捉えたい、受け止めたい、しっかりと。
上演情報
時間:決まり次第掲載いたします。
対象:小学生〜おとな
場割
決まり次第掲載いたします。