賑わいを見せる浪速の町、軽業師のそうべえが綱渡りを演じています。 調子に乗ったそうべえは、ふと足を滑らせて高い空から地面に叩きつけられ、 そのまま黄泉路をさまようことに… 三途の川では舟の渡し賃にと身ぐるみをはがされ、 「地獄の沙汰も金次第やなあ」と気落ちしていると、 同じ舟に乗り合わせた、やぶ医者「ちくあん」と、山伏と、 しかい(歯医者)がお互い同じ身の上と、気易く仲間となりました。 そこへ「ごちゃごちゃすなよ、川に落ちたら生き返るで」と鬼の声、 「そいつはいい」と四人は川にとび込んだものの、 すぐさま鬼につかまって、引き出されたのがえんま大王の前。 「めんどくさい、おまえら地獄ゆきじゃ」とえんま大王のひとことで、 地獄送りとなり、ふんにょう地獄に釜ゆで地獄、針地獄、 果てはじんどんきの腹の中と地獄の責め苦は果てもありません。 だが四人の仲間も得意の芸で立ち向かい、 えんま大王もまっ青の大活躍で、地獄の中は上を下へのおおさわぎ、 さてその運命は・・・。 |