人形劇団ポポロ  

 

 

 

 

てぶくろ
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厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財

 


演出・監修・補筆

さねとうあきら

脚色

山根宏章

音楽

仲林光子


 

小泉八雲の数ある怪談の中でも、

特に人気の高い「耳なし芳一」を人形劇化。

表現力あふれる人形と、

琵琶・笛・太鼓による邦楽の生演奏で、

盲目の琵琶法師「芳一」の物語を紡ぎます。

 

ポポロ40周年記念作品(2012年初演)。

 

 

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耳なし芳一  耳なし芳一  耳なし芳一  耳なし芳一

墓の前で琵琶を弾き狂う芳一。マスクを使って人間が演じます。

 

 
芳一が見えぬ目で見る王朝絵巻。紗幕でその世界を表現します。
     
あらすじ

 今からそんなに遠くない昔、赤間が関(今の下関あたり)のお話。
平家物語の弾き語りが得意な盲目の琵琶法師「芳一」は、阿弥陀寺の世話になりながら琵琶の修行に励んでいた。
和尚が留守のある夜、突然現れた甲冑の武将に「わがご主君のために琵琶を弾いてくれ」と頼まれ、芳一は請われるままに屋敷に出かける。
壇ノ浦の戦いのくだりをと所望され、琵琶語りを披露し、聞いている屋敷の人々が感動してすすり泣いている様子に驚きながらも、合戦の風景が浮かび、求めていた自分の琵琶語りのできに喜びを覚える。 そして、翌日より六日六晩の演奏を頼まれ夜ごと出かけるようになる。
和尚は、目の悪い芳一が夜、出かけていく事に気付いて不審に思い、寺男たちに後をつけさせた。すると芳一は一人、平家一門の墓地の中におり、安徳天皇の墓前で無数の鬼火に囲まれて琵琶を弾き語っていた・・・。

 

作品について
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対象 中学生~大人
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理想観客数

300~600人

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時間

75分(人形劇)

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作品について
 1990年初演「鬼ひめ哀話」と2008年「鬼笛」で邦楽とのコラボレーションに挑戦し、語りのような独特の音を奏でる和楽器に魅せられたポポロは、この「耳なし芳一」でも邦楽との競演を実現しました。
 劇団代表の山根が、「鬼笛」で出会った琵琶の音から発案していたのが「芳一」の舞台と語っているように、このお芝居では邦楽の生演奏が欠かせないものになっています。
 仲林光子師匠[筝曲七生声学院主催]にオリジナルの邦楽曲を作っていただき、仲林利恵さん、吉口克彰さんを加えた3人の生演奏でお送りします。
 舞台からの和楽器の調べは、耳なし芳一の世界を大きく拡げてくれる素晴らしいものになりました。

 

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耳なし芳一  耳なし芳一  耳なし芳一  耳なし芳一
人形劇の舞台上からの生演奏です。  
左:吉口克彰さん(琉水鉦・大太鼓) 右:仲林利恵さん(笛)
 
仲林光子さん[作曲・演奏(琵琶)]
 
役者が稽古をする同じ場所で邦楽の皆さんも音を作りあげました。

 

  さねとう先生と山根宏章
 

演出のさねとう先生と主演の山根とのディスカッション

 

 劇団創立40周年、山根さんの人形劇生活55周年の記念すべき作品となる今回の舞台、見どころは、なんと言っても邦楽と人形劇の舞台が一体となるコラボレーションの世界じゃないでしょうか?  そして、怪談・耳なし芳一という不思議な世界観、ここの劇団じゃないと、こういう不思議なお話というのはなかなか演じることができないと思いますので、こころして監修をさせていただいております。とはいっても、主催者の山根さんが55年の人形劇生活の集大成としての取り組んでおられるわけですから、ここは老骨ながら、好きな立ち位置で楽しませていただきたいと思います。

 児童劇・人形劇に関しては、山根さんとボクは「同時代人」です。ですから、この仕事を半世紀以上つづけるには、どれほど強固な意志、弾けるような情熱が必要か、痛いくらいよくわかります。

 今度の公演が、その輝かしい記念碑になりますように。

 

 原作のさねとう氏を監修に迎え1990年に初演した「鬼ひめ哀話」、そして2008年の「鬼笛」。

 邦楽とのコラボレーションに挑戦し、語りのような独特の音を奏でる和楽器に魅せられたのかもしれない。その頃、鬼笛で出会った琵琶の音から発案していたのが「芳一」の舞台である。

 小泉八雲の「怪談」の中の一編「耳なし芳一のはなし」は、なぜ、特に人の心を惹きつけるのか? それはやはり、何らかの形で誰もが知っている「平家物語」が背景にあり、そのあまりにも短い時の間の栄枯盛衰の移り変わりと、その末の一朝にして滅び去るという強烈な悲劇が生み出した怪談だからに違いない。しかも、盲目であるがゆえにより豊かなイマジネーションを持って語ることができたであろう琵琶法師、その彼が受けた悲惨な運命の理不尽さに涙することで人々はカタルシスを得ていたのだろう。

 でもそれでは、芸能者としての「芳一」の人間像が浮かんでこない。ただの運命に翻弄される物語でしかないだろう。演奏者にとって大事な耳を奪われて、その後の人生をそうやって歩んでいったのだろうか?「耳なし芳一」という表題になっているからには、どうしても描いてあげたい気がするのだ。

 壇ノ浦の戦いで亡くなった安徳天皇を祀り、耳なし芳一の舞台となった、下関の赤間神社の片隅にある芳一堂に、木像となって残っている芳一さんは琵琶を膝に抱えてゆったりと鎮座ましましておられた。

 悲劇の主人公にはとても見えなかったのが僕にはうれしく思えた。人形劇歴55年などと肩を張った構えでなく琵琶と笛の力を借りて、僕の芳一さんを描いてみようと思う。もちろん、劇団や邦楽奏者のみなさんの力を頼んでの話なのだが…。